魔王「一千万人勇者だと 馬鹿を言うな!」
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 10:40:53.57 ID:5gFPSTsx0
国王  「今日、いよいよ魔王の生んだ暗闇の世が終わる
      全軍の指揮は取れているのか? 決戦に抜かりはあってはならんぞ」

大将A 「その心配はしておりません
      飛脚も魔法通信による連絡網も良好です」

側近A 「王様、ここは後方とは言え戦場でございます
      鎧と兜をお召しください」

国王  「王には王の正装というものがある
      勇者達へ 信頼を示す為にも防具は要らん」

大将A 「その心意気 流石は我が大国の王で有らせられるお方だ
      全隊の士気を高める手助けになります」

国王  「世辞はいい、周辺の征圧を急ぎつつ
      魔王城に陽動を仕掛けるぞ
      まずは 敵残存戦力の把握から始める」

僧侶A 「山岳の重装甲車部隊が出遅れています
      荒れ果てた大地を前に 苦戦している模様です」

国王  「急がせろ 魔王の逃げ道を残したまま
      部隊を先行させては面白くない」

タレコミありがとうございます!



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3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 10:43:10.99 ID:5gFPSTsx0
魔物E. 「魔王様 魔王様!」

魔王  「まだ日も昇らんというのに 何を騒ぐ」

魔物E. 「王国が派遣した軍隊が近づいております
      この城目掛けて 数百万… いいえ一千万を超える軍勢が!」

魔王  「うろたえる事はない 一千万であろうと一億であろうと
      所詮は人間共の集まりではないか」

魔物E. 「違います 違うのです! そんなものでは…!」

魔王  「我に処刑される前に消えろ
      人間どもの話など聞きたくない」

魔物E. 「あれはただの兵隊達ではありません "怪力"と"知恵"と"勇気"を持った
      正当なる勇者の血統なのです 私にも部下にも それが分かります!」

魔王  「勇者? 勇者の末裔が隊列を成して
      この我が城を落とそうというのか」

魔物E. 「そう申しております!」

魔王  「そんな事はない!」

魔物E. 「うああッ!ま、魔王様… 何を!」

魔王 ( 冗談を言って貰っては困る
      この二百年の間に 勇者達が挙って子作りをしたとでもいうのか )




4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 10:44:59.68 ID:5gFPSTsx0
勇者A 「俺達、勇者の血を引き継ぐ エリートなんだろ?
      なのにさ こんな事してていいのかよ」

勇者B 「知りませんね そんな事
      とにかく峰の頂まで装甲馬車を運ばないと
      後で怒られたって知りませんよ」

勇者A 「馬車が通り易いように
      整地しなきゃ ならないのは分かるけどさ
      夕方までにあの天辺へ行けってのは無理だろう
      何で俺達ばっかりこんな仕事…」

勇者C 「勇者の子孫でも 僕らはまだ子供だから
      敵の出にくい この道を進ませてもらったんじゃないか
      文句なんか言ってないで 早く頂きまで…」

勇者A 「年寄りの連中が ただこっちに来たくなかっただけだろ
      嫌だよな 陰湿なイジメって言うかさ」

勇者B 「冗談抜きに 今頑張らなきゃ 夕方までには間に合いませんよ
      お天道様だって 待っちゃくれないんだから」




5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 10:47:01.08 ID:5gFPSTsx0
魔物A 「沿岸の艦隊は押さえ切れそうにありません
      上陸した勇者の軍勢は 散開しながら
      魔王城周辺の掃討を始めています」

魔王  「何故、囲まれる! 龍族の群れを全て放ったのだぞ
      奴ら全部が 真に勇者の末裔だとでも言うのか」

魔物C 「魔王様!お気を確かに」

魔物A 「そう申しております」

魔王  「認めたくない… 二百年もの間
      この脅威を 我が予知できなかったなどと そんな事は」

魔物C 「事実と割り切って対処するしか無いのです!」

魔王  「しかし勇者の隊列故に 敵戦力は相当なモノであろう」

魔物A 「確かに 個体能力にバラつきはありますが
      軍隊ともなると こちら側が派遣した魔物では歯が立ちません」

魔王  「奴らが勇者だとしたら 我々はどう戦えばいい
      過去一人の勇者に 闇へ閉ざされた過去を持つ魔族が
      一千万の勇者相手に どう戦えと言うのだ!」

魔物A 「魔法馬車の用意が出来ております 今は逃げて 時を稼ぎましょう」

魔王  「空を飛ぶ魔法馬車で逃げようと 龍の群れを皆殺しにした
      勇者の軍勢に叩かれるだけだ 勇者なら雷電の魔術も使えるはずだ」


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 10:49:46.83 ID:5gFPSTsx0
魔物B 「王様 諦めるのは早い 早すぎます」

魔王  「貴様、魔獣の者か」

魔物B 「はい 城の異常を聞きつけ 参りました」

魔王  「奴ら全てが 伝説の勇者ほどの力をまだ身につけてはおらんとは言え
      一千万の英雄の血を相手に 何かしらの策があるというのか?」

魔物B 「人の歴史は魔族の歴史
      我々魔物の肉と皮を便利に扱ってきた人間共に
      魔物全てを排除した世界の創造など 安易に出来はしません
      ならば それを利用しようではありませんか」

魔王  「ほう… 言う事は面白いが 具体的にどうやる」

魔物B 「王族に化け、国を唆す程度の事をやれば簡単です
      魔王様がこの城を逃げるまでの時間くらいは稼げます」


魔物A 「賢しい知恵を持つ人間相手に そうそう うまく行くとは思えん
      出来たとしても時間がかかり過ぎる 今は一刻の猶予も無いのだ」

魔物B 「国を動かす間 貴公が城を持たせたらどうだ」

魔物A 「よくもヌケヌケと言ってくれる
      城を守るくらいも出来ん 魔獣如きがよくも!」

魔王  「待て、魔獣ならではの狡猾さを持つ良き策だ やってみせろ」




7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 10:51:26.05 ID:5gFPSTsx0
勇者B 「何とか頂上までたどり着けたけど
      結界の出来は 大丈夫なんでしょうね」

勇者A 「疑り深いヤツだな 俺、器用なんだぜ」

勇者C 「これだけやれば後続の部隊が到着するまでは持つよ
      結界を張ったから魔法で前線基地と連絡は出来ないけど
      魔物に探知される心配はなくなったからね」

勇者B 「結界展開用の魔法道具って
      戦線に備えて大量に 業者へ発注したモノなんでしょう?
      これが不良品じゃないって保証はないんだから
      安心なんて出来ませんよ」

勇者A 「そりゃそうだが 欠陥モノだと分かっても
      ここまで来たら 成り行きに任せるしかない」


勇者C 「いつまでも話し合ってないでさ
      とりあえず 小屋でもなんでも作んないと
      後続の部隊に 申し訳がないよ 拠点になる場所なんだから」

勇者B 「その前に休みましょう お腹だって減りましたしね
      山岳を歩き詰めでの体で無理しても 仕方ありません」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 10:53:21.93 ID:5gFPSTsx0
勇者C 「そんなの 部隊が合流してからでいいって」

勇者B 「後続はいつ来るか分からないじゃないですか
      僕達を先行させる為に 魔物の陽動へ向かったんですよ」

勇者A 「確かに結界の設備が不良品だと分かった時
      魔物と戦う事になったら たまんないからな
      休めるときに休むのは お利口ってモンだ」

勇者B 「しかし ロクな食べ物がありませんね
      温めないと食べられないものばかりなんて…
      焚き火をすれば済む話ですけど
      炎や煙で魔物に察知されるのは面白くない」

勇者C 「そりゃ食料だって例外なく 大量発注した安物だから
      訓練の時使っていたような保存食なんて無いよ」

勇者A 「結界の内側なのに
      焚き火の心配なんて 何でしなきゃならないんだ」

勇者B 「火の光や煙は結界の外へ容赦なく出て行きます
      それを探知される危険を心配しているんです
      それくらい どうして想像できないんですか」

勇者A 「じゃあどうやって飯を食えってんだ
      このまま空腹で死んだって 元も子もないだろう
      多少は諦めてでも食べなきゃ 何も出来やしない」

勇者C 「だったら 日が沈み切らないうちに済ませようよ」





9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 10:55:01.44 ID:5gFPSTsx0
僧侶A 「王様、後方の艦隊より魔法手紙が」

国王  「帰還の催促じゃなかろうな」

僧侶A 「東の国の王からです」

       ―――――――――――――――
          親愛なる 王へ
       ―――――――――――――――


国王  「……。」

側近A 「如何なさいました」

国王  「貴様はこれをどう思う」

大将A 「…?」

国王  「読め、この内容に対する貴公の考えを聞きたい」

大将A 「魔王討伐の凍結を柔らかく促す信書のように思えます」

国王  「戦前に立つ この王に向けて
      掃討作戦の凍結を申し立てる信書をどう思う?
      我々と共に作戦を支え続けてきた国が出してきたのだ」

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 10:56:58.76 ID:5gFPSTsx0
大将A 「手紙に嘘偽りは感じられません
      刻印も 東側の国で使われる高貴な物です」

国王  「情報工作で無いとするなら 東国の意図は何だ
      この聖戦を止める事で 奴らは何の旨みを得る?」

大将A 「国全体と考えるよりも 売人達への利益だけ想像すれば
      この手紙の意味も見えてくるはずです」

国王  「売人… 商人がこの手紙と何の関係がある?」

側近A 「東国は 貿易の盛んな地域でございます
      あの国では商人が強い権力を握っているのです」

国王  「そうか、商人は魔物の骨肉による貿易で金を得ているのだから
      それを排除される危険を恐れ 我が王国に聖戦の凍結を承認させて…」

側近A 「しかし、いくら売人といえど
      魔王の排除を完全にやめさせるとは思えません」

国王  「それはそうだ 地上で生まれた我らと同じ人間なら
      魔王だけは 生かしておけんハズだ」


12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 10:58:38.63 ID:5gFPSTsx0
大将A 「ですからこの手紙は
      魔王を排除しつつ 魔物による貿易を継続させる為の
      時間稼ぎだとは思えませんか?」

国王  「奴らが 連合国全ての実権を握れば 出来るやもしれんが…
      しかし、だとしたらどうするつもりだ
      魔王が倒された後に軍隊で我が国を制圧し
      王族を皆殺しにするつもりなのか… その為の時間稼ぎだというのか」

側近A 「国が 国潰しを仕掛けて来るのですか!」

大将A 「今はあくまでも想像です 想像だけのものであって欲しい」

側近A 「考えたくない、人と人が殺しあう 戦国の世など 考えたくない…」

大将A 「それは誰しも同じ気持ちです
      現実のものにしない為にも 東国に釘を打たねばなりません」

国王  「脅しか」

大将A 「はい、隊列を半分に分けて東国の軍隊を膠着させれば…」


側近A 「結局、戦力や軍隊に頼らなければ
      便利に国を治められんとは なんと皮肉な事か」

大将A 「魔物を排除すれば いずれはそんな物に頼らず
      人々の暮らす世が創造できるハズです 私はそう信じたい」

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:00:46.75 ID:5gFPSTsx0
国王  「しかし、現行の半数
      五百万の兵力で魔王の動きを抑えられると思うか?
      勇者の子孫達とは言え ほとんどが国の管理の下
      便利に学習させたに過ぎんお手製の勇者達だ
      実戦経験の浅い者も多い上に 若造も混じっている」

大将A 「その心配はしておりません 売人達を膨れ上がらせた
      忌々しい武器や道具で 一ヶ月は持ち堪えられます」

国王  「若くして大将の地位に登りつめた貴公が言うのだから信じよう
      ならば私は国に帰り 東の王へ圧力をかける
      軍隊の指揮は任せられるな?」

大将A 「は、うまく行けば この戦力で制圧も可能かと」

国王  「敵を過小評価しすぎるなよ
      幾億の闇を越えて生き永らえた魔物達だ
      足並みが全て揃うまでは 城の監視に勤めろ
      …もっとも貴公の指揮があれば容易いかも知れん 期待している」

側近A 「魔法馬車を用意させます」

国王  「要らん 我々は勇者と同じ船に乗ればいい
      貴重な魔法馬車は若大将が使え」

大将A 「は、有難うございます」





14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:02:40.62 ID:5gFPSTsx0
勇者A 「飛脚の一人も来やしないのはどういう訳だ
      こっちは高所の寒空で凍えそうだってのに…」

勇者B 「確かに妙ですね 軍隊の動きは見えなくなりました
      海上の艦隊も 幾つかは後退を始めているようです」

勇者A 「そりゃなんだ その筒で遠くの景色が見えるのか?」

勇者B 「知らないんですか? 便利なんですよ」

勇者A 「ガラスが入ってるな」


勇者C 「勇者になる為の訓練で使ったんだから
      望遠鏡くらい知ってるはずだよ
      魔物の瞳から レンズの採取だってやったんだから」

勇者A 「俺は優等生じゃないからな
      苦手な科目は全部ズルけていたさ
      おお! スゲェな これなら俺の故郷だって見えそうだ」

勇者B 「魔王城から近い田舎なんて 嫌な場所に住んで居たんですね」

勇者A 「そんなワケけないだろ 見えたらいいなって話だよ」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:04:50.49 ID:5gFPSTsx0
勇者A 「王国の北に デッカイ谷があるの分かるかい?」

勇者B 「ああ、古い塔へ続く山間部ですね」

勇者A 「俺の母さんはその辺りの田舎で育って
      十六の時、勇者の子供を授かる為に王国へ上京したんだ
      そして 俺と兄貴を生んで 故郷へ帰っちまった
      次に会う時は立派な勇者になるって 約束をしてさ…
      一度も行った事はない故郷の村だけど
      この作戦が終ったら 真っ先に行こうと思ってる」

勇者C 「そうだね… 絶対に生き抜いて 国に帰ろう
      僕達が英雄になるんだ」

勇者B 「生き抜くなんて言っても ここは相当安全らしいですし
      戦わずに ジっとしていれば死にはしません」

勇者A 「油断してると 本当に死んじまうぞ」

勇者B 「劣等生のクセに説教するんですか」

勇者A 「俺の兄貴は 魔物にコロっとやられて死んだんだ
      勇者の血筋だからって油断してさ
      お前もそんな兄貴みたいになりたいのかよ」

勇者B 「少なくとも 魔王城の近くじゃ 嫌ですね」


17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:07:20.60 ID:5gFPSTsx0
飛脚  「お前ら いつまで火を焚いてんだ
      結界は張ってあったが もう夜だろう?」

勇者C 「誰!?」

飛脚  「おおっと魔物じゃないぞ 人間人間
      本隊からの使いで作戦の指令に来ただけだ」

勇者B 「魔獣かなんかが 化けてるんじゃないんですか」

飛脚  「魔獣はね 総大将である王の実印入り命令書を 持って歩かねぇんだよ
      結界がなけりゃ こんな所まで来てやんないんだぞ」

勇者A 「なんで後続の部隊はこっちに回ってこないんだ
      俺達はこのクソ重たい装甲馬車を
      時間通りに運ぶために 必死で山頂まで登ってきたんだぞ それなのに…」

飛脚  「作戦が変わったからだろう?
      俺は正規の兵隊じゃねぇんだから 聞くんじゃないよ」

勇者B 「指令ってなんです?」

飛脚  「"次の指示があるまで待機せよ"ってさ」


勇者A 「冗談じゃないぜ! 一分一秒だって早く帰りたいって言うのに
      なんで 待たされなくちゃならないんだ
      だから後続はいつまで経っても来ないんだな 畜生」





18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:09:20.76 ID:5gFPSTsx0
魔物A 「王国の艦隊は後退を始めました
      半分の兵力は依然城の周囲で警戒を続けております」

魔王  「商人をそそのかして連合国を動かすとは考えたな」

魔物B 「この程度は容易いモノです
      しかし所詮は時間稼ぎに過ぎません
      いずれ勇者の軍勢は この城を落としにかかる」

魔王  「案ずる事はない 防衛網も半分に減ったのだ
      とりあえずはこの包囲を突破して
      他の大陸に逃げ込むくらいの事はできる」

魔物C 「峠を越えて 砂漠に出ましょう
      大陸を横断すれば神殿にたどり着けます」

魔王  「神殿… 御神木を目指すのか
      あれには手を出したくはなかったが 致し方在るまい」

魔物B 「城に残った魔人達に 用意させます」

魔王  「勇者の最も恐れねばならん力は 雷電の魔術だ
      良き魔力の源たる神殿を押さえて見せれば
      我の魔力も弱まるにせよ とりあえずこの力を止める事もできよう
      そして人間共が魔物に逆らおうななどと愚かな考えも消えるはず…
      急ぐぞ 部隊を分断した今なら容易く勇者共を出し抜ける」

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:11:22.05 ID:5gFPSTsx0
魔物A 「国王軍海上艦隊の誘導には感謝するが
      魔王様護衛の任は我々高貴なる魔族の血統に任せて頂きたいな」

魔物B 「今更魔族の意地など見せびらかしてなんになる
      のっぴきならんこの事態がどれほど異常か分からんのか」

魔物A 「たとえ異常だとしても 魔獣に出娑張られては
      我が部隊の指揮も落ちる それでは意味がない」

魔物B 「貴様の誇りには 見え隠れする野心と下心を感じる
      おいそれと王の身の安全全てを任せられんな
      どう言われようと 好きにさせてもらおう」

魔物A 「好きにすると言うのなら
      外の勇者達に 陽動くらい仕掛けて見せるんだな」


魔物B( ヤツも同じ魔物だと言うのに 何故こうも敵意を感じるのだ
      魔族も一枚岩ではないとは言え 放っては置けん )

魔物A( まだ国王軍に動いて貰わねばならん それを魔獣に台無しにされては困る
      私には 私なりの志がある )





21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:13:22.14 ID:5gFPSTsx0
勇者E. 「なんだ… 紫煙が広がっている 注意しろ!」

勇者G 「朝靄じゃないのか」

勇者F. 「違うな この邪悪さは違う!
      紫煙を出すのは強力な魔物の可能性が高い
      第三次防衛線より内側には通すな!」

勇者E. 「き、来た! あれじゃないのか」


魔物B 「なるほど 確かに先発した龍族が全滅した意味も分かる
      勇者の血を受け継ぐ軍隊というのは本当だ
      目を見るだけで 鼻先を突き刺すこの感覚…」

勇者G 「なんだ、コイツ喋るぞ」

勇者F. 「本当に魔物なのか 姿かたちは確かにそうだけど…」

勇者E. 「何やってる! 叩くぞ 急げ!!」

勇者G 「でも、叩くって言ったって… 言葉を話す魔物なら
      俺達と同じ知性があるはずだ だったら分かり合える事くらい…」

魔物B( そんな優しさで物事を捉える所も
      勇者の血が 決して薄くない事の証だな
      今はまだ出来損ないの軍勢だが
      一千万全ての兵が実績を積めば もう魔物に未来はない
      今私の命全てを燃やし尽くしてでも 出来得る限り仕留める! )





23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:15:33.61 ID:5gFPSTsx0
魔王  「前面の部隊に 魔獣の長が陽動を掛けてくれた
      ヤツの覚悟を 無駄にするでない」

魔物A 「我が家来どもを先行して回します
      進路の安全が確保出来るまで 後方よりお待ちください」

魔王  「要らん 時間がかかりすぎる
      全ての家来は我の後方に続け」


勇者H 「な、なんだこの魔物は 人の形をしているじゃあないか
      この拠点に 何でこんな魔物が…!」

勇者J. 「人型の魔物は魔族に違いないが
      それにしても圧迫感が違うぞ どういうヤツなんだこいつは」

勇者I 「落ち着いて 僕がヤツの注意を引けば 倒す糸口くらい…!」

魔王  「人間… 勇者の兵隊共か
      勇者とは言え 地上の魔力全てを味方に出来るこの私に
      武器を向けるとは面白い」

勇者I 「今魔王って聞こえた、この魔物の口から
      これが… こいつが!」

勇者J. 「まさか、これが本当の魔王なのか」

魔王  「我との格の違いを見抜けなかった貴様達に
      魔王の真の力を教えてやろう」


25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:17:28.67 ID:5gFPSTsx0
僧侶C 「大将様!砂漠側の山脈より 魔力の強い乱れを感じます
      魔法通信より連絡を試みておりますが 応答がないところを見ると…」

大将A 「突破されたと言うのか 魔物共に!」

僧侶C 「恐らく」

大将A 「私が勇者を過信しすぎたと言うのか…
      突破したとなれば 恐らくそれだけの事情をもつ輩
      魔王である可能性が極めて高い
      正面の魔獣を 陽動とも見抜けず なんと愚かな!
      しかし この手塩に掛けた一千万人勇者が
      ただの捨て駒に二十万も殺されたとは思いたくない
      あれが 名のある魔獣の将だと思いたい…」

僧侶B 「便利に育てた勇者さん達に 何が出来るって言うんだい
      こんなザマは端っから想像はできてたんだろう?」

大将A 「黙れ 貴様は魔王城周辺の勇者を誘導しろ」

僧侶B 「冷静になりなよ 今から兵を集結させたって
      追い付けるワケないだろう?」

大将A 「黙らなければ今すぐにその喉下を掻き切る」

僧侶B 「見苦しいね 男のヒステリーはさァ!」

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:19:43.02 ID:5gFPSTsx0
国王  「作戦が終わり、世界を統治できたなら
      東側の国をお前にくれてやろうか」

側近A 「ご冗談を」

国王  「いずれは北西の独立国にも
      我が連合の力を示し 地上の…」


僧侶A 「王様、魔法手紙が」

国王  「なんだ 後には出来んのか」

僧侶A 「急ぎのお便りで御座います 戦線の若大将様から」

国王  「ん、まさかもう魔王城を押さえたと言うのか?」

       ―――――――――――――――
          真に申し訳ありません
       ―――――――――――――――


国王  「なんと… しくじったか!
      ええい、実力を見込んで大将の地位をくれてやった恩も忘れて
      それを仇で返すとはなんと破廉恥な!」

側近C 「お手紙にはなんと?」

国王  「魔王が逃げた… 砂漠側に進行を始めたらしい この事態は不味い」





29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:21:17.14 ID:5gFPSTsx0
勇者A 「遅すぎるな 何の連絡もないのはどういう訳だ」

勇者B 「忘れられてるんじゃないんですか?
      一度結界を解いて 魔法通信をしてみるのもいいかも
      僧侶さんみたく 上手じゃありませんけど」

勇者C 「ダメだよ 傍受されたら敵が追ってくる
      それに 魔王の城が 簡単には落ちないのは分かるでしょう?
      きっと作戦にてこずって 僕達に構う暇がないだけだよ」

勇者A 「それにしたってさ 食料の補給も無いようじゃマズいぞ
      後続の装甲馬車に大半を残してきたから 予備は三日分しかない
      しかも、ここから前線基地に戻るまで丸一日かかる
      基地や後続部隊がやられてたり後退していたら
      食料が取れそうな 森林まで移動しなきゃならないぞ
      その時は さらに二日はかかるぜ」

勇者C 「勇者の軍隊が 早々簡単に後退なんてするわけ無いじゃないか
      それに 事情があっても後続の部隊は 必ず来るハズだから
      食べ物にそんな頭を抱える必要なんて無いって」

勇者B 「保証は無いのに随分、自信があるみたいですね」

勇者C 「だって 僕のお兄ちゃんが指揮してる部隊が
      僕達の後続なんだから 絶対に大丈夫だよ」





33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:23:27.31 ID:5gFPSTsx0
東の王『ですから 我々の抱えている貿易商人の
      雇用を保障してくだされば
      諸外国との仲介を我が国が請け負いましょう』

国王  「四十万の商人全ての雇用を保障する事は出来ん
      役職として雇うには 数に無理がある
      連合国が所有する土地なら いくらでも田畑が拓けるはずだ」

東の王『彼らを 農家に転職させよ と?』

国王  「国を根深く支える 良き民となろう」

東の王『それでは こうして彼らの意思を担いで
      議会に参加した私の立場が無い
      彼らに畑を耕せとは 口が裂けても言えませんな
      第一、一千万の勇者を軽々と養ってきた連合国に
      たかだか四十万の人手が 何故扱えないのです?』

西の王『その言葉は軽率だ 我々は…!』

国王  「待ちなさい 若殿」

西の王『しかし!』

国王  「東の国を統べる王よ 魔法通信ではやはり心の奥底まで通わんようだ
      貴公がどうしても商人の役職を確保したいと言うのなら
      我々は 東の国と その他諸外国全域に
      五百万の兵を送らねばならん それでも良いか?」


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:25:30.88 ID:5gFPSTsx0
東の王『五百万の兵? 勇者の軍隊ですか
      しかし今は 魔王城に向かって…』

国王  「この映像を見よ」

東の王『!』

国王  「魔王城の戦局は予定の半数で済むと分かった
      だからこうして残りの兵力を 連合の護衛として連れて帰ったのだ
      勇者達を 国潰しに使わせたいのなら 好きにするがいい」

東の王『議長… 貴方は!』

国王  「貴殿らが仕掛けてきた事だ 恨むのなら 己の野心を恨むのだな」


西の王『東の王もその兵力を引き戻すなど 想像していなかったようだ
      しかし議長、あの物言いでは 奴ら東の住人に
      連合の恐怖政治と取られ 反逆の精神を育てるだけです』

国王  「それでよい 勇者の軍隊を魔法通信上とは言え 直に見せれば
      そのように愚かな野心は芽生えんよ
      結果として 魔王討伐に本腰を入れる事が出来れば良いのだ」

西の王『魔王に逃げられた事実が 奴らに知れたら
      今回の脅しも無意味になります やるのならお急ぎください』

国王  「分かっておる若殿 心配せずとも砂漠より先には逃がさんよ」




37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:28:58.81 ID:5gFPSTsx0
僧侶B 「議会に戻った戦力を先回りさせるのさ
      奴らの目的は間違いなく 神殿だよ
      こっちは海を渡る分遅れるが 大陸の本国からなら十分先行できる」

大将A 「それが真実だという保証はなかろう」

僧侶B 「アタイだってこう見えて僧侶の端くれさ
      だから魔法に関して 知らないことは無いんだよ
      神殿には良き魔法力の流れがある
      その流れが止まれば 勇者の魔法は使えなくなるのさ
      魔王はきっとそれを利用して 勇者達の動きを抑えるハズ…
      わざわざ峠から 砂漠に出たのは そういう狙いがあったに違いない」

大将A 「何故 私に教えてくれる」

僧侶B 「男前のアンタを 出世させてやりたいだけだよ
      やるんなら急ぎな 敵は待っちゃくれない
      魔王を挟み込んで ケリをつける」

大将A 「待て」

僧侶B 「なにさ」

大将A 「私は、まだ青いとは言え高貴な武族の男だ…
      女に命令されて 易々と動くわけにはいかん」

僧侶B 「かわいいねそういうの
      だったら今のはアタイの独り言って事にしてやるよ ボウヤ」





38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:31:00.67 ID:5gFPSTsx0
勇者A 「嫌な風だ こりゃ嵐になるな… 雨も来るぜ」

勇者C 「馬を馬車と切り離して 仮設テントに移そう」

勇者B 「それじゃ、我々が濡れちゃうじゃないですか」

勇者C 「分かってる でもこの辺りの雨は危険なんだ
      馬を守ってあげなくちゃ 可哀想だよ」

勇者A 「俺達は馬車の荷台に入ればいいだろう」

勇者B 「あの中、変な臭いがするんです」


勇者C 「雷が鳴ってる 風が強くなってきたね」

勇者A 「狭いなぁ もっと詰めろよ」

勇者B 「無茶言わないでください」

勇者A 「しかし 大丈夫かな… 嵐が来たら 今作ってるテントなんて
      あっという間に 吹き飛ばされるぜ」

勇者B 「そうなったら諦めましょう 魔王城周辺の雨は
      この一帯の草木に毒を与えた瘴気の雨です
      無理に テントを守ろうなんて考えないでください」

勇者A 「だからって馬を見殺しにするのは後味が悪い
      俺、ちょっと見てくるぜ テントの補強くらい 今なら出来る」





40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:33:34.77 ID:5gFPSTsx0
国王  「その仮面は 戒めか?」

大将A 「はい、魔王を逃がし恥を晒し 醜い顔となりました」

国王  「この責任 軽くはないぞ」

大将A 「詫びる言葉もありません ですから汚名返上の機会を下さい
      神殿の護衛部隊を指揮し 魔王を倒すことで 必ずや償います」

国王  「二度の醜態を私は許すつもりはない
      次の失敗が 貴様の最後だ 肝に銘じておけ」

大将A 「必ず…」


側近A 「城から散った魔物の襲撃で
      魔王城を包囲していた百万の兵が犠牲になりましたが
      残りの兵力で 掃討は可能です」

国王  「神殿に先回りさせた五百万の兵はどう動く」

大将A 「魔王の進路上へ 待機させました
      進行を阻むよう配置させましたので
      神殿には 決して辿り着けないと断言できます」

国王  「そうでなければ この作戦は失敗に終わるのだ
      待ち伏せに気付かれぬよう
      後方の兵達に 魔王軍を刺激させろ 二百年もの時を無駄にするな」





41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:35:37.89 ID:5gFPSTsx0
大将A 「魔法馬車は出られるな」

僧侶B 「アタイの魔力なら 一日で神殿まで飛べるよ」

大将A 「頼む、私に力を貸してくれ」

僧侶B 「素直になったじゃないか
      変な仮面をつけてるおかげかい?
      そろそろ名前くらい教えてくれたらいいのに」

大将A 「大将として恥を晒した身だ
      今は 誇り高い家の名を語るワケにはいかん
      この鉄仮面はその戒め… 必ず魔王を倒す」

僧侶B 「面倒な性格なんだね
      いずれはそんな仮面もプライドも剥ぎ取ってあげる
      かわいい寝顔にさせてあげるよ」

大将A 「そうしてくれ 馬車を出すぞ」

側近A 「大将殿 風が強くなっております
      弱まるまでは低空をお飛びください」

大将A 「魔王連中に気付かれるのは面白くない
      この風の中でもうまく飛んで見せます」





42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:38:12.95 ID:5gFPSTsx0
魔王  「後方の戦力はどのくらいだ」

魔物A 「は、多くて四百万程度かと」

魔王  「半分に分けた 王国側の軍勢が気になるな
      連中とて遊んでいるわけではあるまい」

魔物A 「魔獣の時間稼ぎが うまくいっているのでは?」

魔王  「そうとも考えられるが 最悪の事態も考慮しながらでないと
      神殿へは辿り着けん気がする
      偵察を怠らずに 沿岸の山脈から神殿へ進むぞ」

魔物A 「時間がかかりますが よろしいのですかな」

魔王  「神殿へ先回りされていたのでは逃げ場もなくなる
      包囲を突破した今からは 石橋を叩き過ぎるくらいでいい」

魔物C 「万一の時は 魔王様…」

魔王  「案ずるな 死にはしない」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:40:47.08 ID:5gFPSTsx0
僧侶A 「魔王の軍勢は南寄りに進路を変えたそうです」

側近A 「敵の進行が妙ですな 足取りが重いように感じます
      我々の策を まだ感じ取られたとは思えませんが」

国王  「敵が用心をしすぎるだけだと思いたいが
      小細工を始めたとも考えられるな」

側近A 「荒野に生息する魔物共の知能では
      魔王への情報提供など 出来はしないハズです
      小細工を始めるとすれば
      現在進行中の軍勢から 偵察隊を派遣するくらいでしょう」

国王  「偵察隊をこちら側が感知して撃墜した場合
      魔王側はどう出る?」

側近A 「出動したまま 帰還しない偵察隊の動向に 異変を感じ取られるでしょうが
      いざとなれば 神殿を守る五百万を攻撃に出す事で 処理は十分可能です
      神殿側へ引き寄せてしまえば 数ではこちらが有利なのです」

国王  「しかし一度は失敗した掃討だ
      数で油断せず 用心してかからんとな  若大将へ通達を頼む」

僧侶A 「…それがまだ神殿へ辿り着いていないようです
      同行させた僧侶の反応も感じ取れません」

側近A 「魔力の乱れがあるのでは 無理もない
      大将殿の捜索はそのまま続けよ」




46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:42:48.72 ID:5gFPSTsx0
勇者B 「雨を浴びすぎた… この馬はもうダメですね」

勇者A 「クソ、何でこうなる たかが嵐くらいで 何でこんな…!」

勇者B 「落ち着いてください もう馬は諦めて馬車の荷台に戻りましょう」

勇者A 「今からでもテントを建て直して守ってやんなきゃ
      こいつら苦しんでるんだぞ!」

勇者B 「諦めろって言っているでしょう!
      吹き飛ばされた器具はもう回収できません
      それにこれだけ瘴気の雨を浴びれば 治療は不可能なんです
      我々だって これ以上浴びれば危険なんです!」

勇者A 「でも、魔物にやられたわけでもないのに
      あっさり生き死にを変えられちまうなんて 可哀想じゃないか
      たかが雨だぜ… こんなつまらない事で 死なせてやりたくない!」

勇者B 「後続の部隊が来なければ
      明日は我々がこうなるかもしれません」

勇者A 「分かるさ! 分かるけど、お前は悔しくはないのか
      馬だけど 一緒にここまで来た仲間だろ」

勇者B 「そんなの 生き残ってから考えればいいんです
      それからの事です それからの…」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:44:49.30 ID:5gFPSTsx0
勇者C 「その様子じゃ ダメだったんだね」

勇者B 「毒の処理をお願いします
      我々も、瘴気に少しやられました」

勇者A 「何でこんな事になる 後続隊が来てりゃ何とかなったのに
      追加の装備があれば もっと頑丈な小屋を作って 馬を守れたハズだろ」

勇者B 「見捨てられたのかもしれませんね
      一千万人勇者の軍隊が動いてるんです 考えられる話です」

勇者C 「僕の兄さんが 見捨てるなんて事しないよ
      国の命令があったって 僕達のところへ必ず来てくれるよ!」

勇者A 「死んでたらどうすんだ そのご自慢の兄貴と後続全員がさ
      いくら勇者でも 格が違う魔物相手に コロっとやられる時もある
      この雨でやられてる可能性だってあるよな」

勇者C 「僕の兄さんはね
      誰かの兄さんみたいに油断をする人じゃないんだ
      簡単に殺されはしない人なんだ!」

勇者A 「野郎…!」

勇者B 「やめなさいよ 罵り合って暴れても仕方ないでしょう!」

勇者A 「コイツは 言っちゃならん事を言ったッ!」





49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:46:56.19 ID:5gFPSTsx0
大将A 「素人の応急手当だがしないよりはマシだろう
      神殿は近い 辛抱してくれ」

僧侶B 「ザマァないね こんな風くらいで 馬車を導けないなんてさ
      戦線の戦闘のせいで 魔力の乱れが激しすぎるんだ…」

大将A 「その事はいい 早く傷を治せ」

僧侶B 「そうもいかないだろう…
      アンタを出世させるって カッコつけたのはアタイなんだ
      だったら 無茶してでもアンタを神殿へ連れてかなきゃ…
      そんな仮面被ってまで頑張ってる大将さんに申し訳ないよ
      自分の傷の手当より アンタを運ぶ魔法の方が先だ」

大将A 「その事はいい 私が居なくとも
      勇者達の知恵と力で勝てる」

僧侶B 「気休めなら… いらないよ
      し、神殿が近いから魔法がちょっと…
      ちょっとだけ 便利になるんだ
      馬車に… アンタだけでも乗って 部隊と 合…流……」

大将A 「死ぬな、目を開けていろ!
      私はどうすればいい 私には魔法の事は分からんのだ」

僧侶B 「……」

大将A 「眠る前に馬車に魔法をかけてくれたのか?
      ならば 必ず戻る それまで死ぬな 必ず戻る 必ず!」


50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:48:50.52 ID:5gFPSTsx0
勇者N. 「お、ようやく大将さんのお出ましかい
      嵐で魔法馬車が バラバラになったのか?」

勇者K 「何やってんだ 指揮官のアンタが移動に遅れるなんて!
      作戦が便利に進まんじゃないか 連絡も無しに何処で遊ん…」

大将A 「話は後にしろ 動ける魔法馬車と僧侶をここへ呼び出せ
      連れの者が 山脈の向こうで怪我をしているのだ」

僧侶C 「遅れて来た者が 勝手な事を言ってくれますな
      まずは軍の指揮が先ではありませんか」

大将A 「私は大将だ その命令が聞けんと言うのか!」


勇者L. 「大将! 魔物が来ました
      ありゃここら一帯の魔物じゃない もっと格上のヤツだ!」

大将A 「敵の偵察部隊か?」

僧侶C 「魔王の手先と見て間違いないでしょう
      ここで情報を盗まれるのは面白くない
      王の命令を待たずに 打ち落としても構いませんな?」

大将A 「当たり前だ、迎撃の出来る者を前に出させろ 私が責任をとる」

大将A ( いち早く戻らんと 僧侶の命が危ういと言うのに 化け物共め…!
      何故邪魔をしてくれる 何故戦う! )





51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:51:00.17 ID:5gFPSTsx0
  ガガッ!!  ガガガッ!!

勇者A 「なんだ 荷台が揺れてるぞ」

勇者B 「これは雨風の音じゃない
      嵐はさっきよりも弱まっているはずです」

   ガンッ!        ガンッ!

勇者C 「攻撃を受けてるよこの荷台!
      魔物がこっちまで来たの!?」

勇者A 「そんなワケがあるかよ 結界を張ってるのに
      魔物が来るモンか!」

勇者B 「なんだっていい! 外に出て倒さなきゃ」


勇者A 「コイツら… 姿かたちは魔獣そのものだけど
      俺達が運んできた馬と同じ馬具を付けてるぜ」

勇者B 「瘴気の雨を浴びて 屍獣と化してしまったみたいです
      この一帯の不穏な力は
      死んだ者を楽に逝かせてはくれないみたいですね」


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:53:16.90 ID:5gFPSTsx0
勇者A 「俺達だって死んだらああなるって事かよ…
      なら、やられる前に やってやる!
      仲間だった馬だと思うとちょっとかわいそうだけど」

勇者B 「焦らないでください! 今、我武者羅に戦っても屍人になるだけです
      既に瘴気の染み込み始まってるんです」

勇者A 「俺は強いんだ勇者の子供だ 簡単にやられるワケがない
      毎日三食 長寝 早起き
      鍛えに鍛えた健康筋肉で打ち砕いてやる!」

勇者C 「そうじゃないよ! 雨はまだ降ってるんだ
      瘴気の雨が体に染み込み過ぎれば
      死ななくったって 屍人になっちゃう!」

勇者B 「切傷を負えば 浅い傷でも
      毒の染み込みが早まって 危険が高まります
      だから 小さな傷も負わず、毒を治療しながら
      慎重に 戦わなきゃならないんです」

勇者A 「だったら 魔法で戦うまでだ
      たっぷり時間をかけても それこそ危険だぜ
      雷電の魔力があったから勇者は魔物達に恐れられてきた!」





54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:55:50.62 ID:5gFPSTsx0
僧侶A 「大将到着の連絡以後、魔法の乱れを確認できます
      先方部隊との連絡も途絶えました」

国王  「大将が到着したのなら問題は無い
      最良の判断で動いてくれるだろう 魔法手紙の用意だ」

僧侶A 「は」

側近A 「いよいよですな」

国王  「ああ、頃合と言った所だな
      各将に伝えろ これ以後は我々、後方の兵力も総動員し
      魔王を神殿護衛部隊の最も厚い所へ誘導する」

僧侶A 「王様、先方部隊より
      敵偵察対と思しき集団を撃墜したと連絡が入りました」

国王  「よくやってくれた やはりあの大将に護衛隊を任せてよかった
      まだ通信は可能か?」

僧侶A 「依然乱れが激しく 便利には…」

国王  「まぁよい あとは策よりも 死力を尽くすだけだ」


56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:57:36.67 ID:5gFPSTsx0
勇者K 「大将さんのアンタが 怪我人の輸送にまでついて来なくていいだろう
      敵の偵察隊を撃退したから 神殿の異常を感知されたかもしれない
      そりゃつまり 本格的な衝突が始まるって事だろう?」

大将A 「それは分かる しかし本隊がこちらの護衛部隊まで
      敵を追い込むまで時間はある
      それまで大将不在でも 部隊は機能するはずだ」

勇者K 「機能するかどうかじゃなくて
      大将なら大将らしく それなりの振る舞いってモンが…!」

大将A 「黙れ 私の命令が絶対だ」

僧侶C 「まったく! 大将のクセになんて 情けない!」


大将A 「あれだ、あそこだ!
      あの場所で馬車が落ちた 怪我人はそこだ」

僧侶C 「魔法馬車は急には止まれんのです!
      そうお急ぎになさらず 座っていなさい
      ただでさえ 魔法の乱れが激しいのに…」

大将A 「急げ、怪我人だぞ!」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 11:59:08.26 ID:5gFPSTsx0
僧侶B 「…」

大将A 「約束は果たした 迎えに来たぞ
      どうした 目を開けて見せろ」

勇者K 「おい、大将さんよ」

大将A 「どう言うワケだ 何故、返事をしない!」

勇者K 「やめなよ それ、ダメだ」

大将A 「体温が下がっている 馬車から毛布を持って来い 急げ!」

勇者K 「股のところ 濡れてるだろ?
      腹の力もなくなって 糞尿を漏らしてるんだ
      顔が真っ青なのは血が重力に逆らえなくなった証拠だ つまり」


僧侶C 「お急ぎください 今、護衛隊から帰還の催促が…」

勇者K 「戻ろうぜ 大将」

大将A 「い、遺体は…」

僧侶C 「連れてはいけません さぁ」

大将A 「…」




58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:02:09.63 ID:5gFPSTsx0
魔王  「後方の勇者共が活気付いたか…」

魔物A 「我々の部下も そう長くは持ちません
      神殿への進行は急がれたほうがよろしい」

魔物C 「魔王様、この追い込みは妙です
      先の偵察部隊の帰還も遅れています
      恐らく神殿へ強力な戦力が配備されているのです」

魔物A 「貴様に何故そのような判断が出来る?」

魔物C 「アタシが生意気だというのですか!」

魔王  「よい 続けろ 話を聞かせろ」

魔物C 「ヤツら人間達にも魔法に長けた者が沢山居ります
      なら 我々が神殿を目指すことくらい
      砂漠に出る前から気付いているハズでしょう?
      なのに これまで特別な進路の妨害をしてこなかったのは
      神殿に待ち伏せている兵力があるからに違いありません」

魔王  「推測の域を出ん 生意気な意見だが我もそれを考えていた」

魔物C 「だったら!」

魔王  「だがそれでいい それでいいのだ
      待ち伏せを喰らったとしても やられはせん
      この魔王も勇者と同じく神殿の力で魔力が強化されている…
      人間共にはそれがわからん 心配はない」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:07:38.82 ID:IIiC6/AEO
あれ? 魔王って神殿の影響受けると弱体化するって書いてなかったか?
俺の見間違いかね。

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:23:37.14 ID:8ifumpWyO
>>62 これだな>>18
神殿を抑える=勇者と魔王が弱体化する
神殿への接近に関しては無問題

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:48:49.75 ID:IIiC6/AEO
>>71理解した。ありがとう。




59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:05:04.35 ID:5gFPSTsx0
勇者A 「ハァ…! 何て事はねぇな
      格の差は感じたが うまく戦えたじゃないか」

勇者B 「そうですね 誰かさんの特攻のおかげで
      意外に早く倒せたようです
      それより 早く荷台に戻って 毒の治療を…」


勇者С「…」

勇者A 「?」

勇者B 「どうしました?」

勇者A 「アイツ… 変じゃないか」

勇者B 「体が小さいから 瘴気の影響を受けやすいんですよ
      早く治療してやりましょう」

勇者A 「いや、ピンピンしてるぜ」

勇者B 「そんな、彼だって疲れていいるはずでしょう?」


61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:07:31.57 ID:5gFPSTsx0
勇者С「どうしたの 早く荷台に戻ろうよ」

勇者A 「なんだ… なんでもないのか」

勇者С「荷台に戻って お兄ちゃんが来るの待たなきゃ
      雨に濡れるのは危ないよ」

勇者A 「ああ、風邪だって引いちまうかもしれないしな」

勇者С「お兄ちゃんが来るんだ お兄ちゃんが」

勇者A 「本当、来てくれなきゃ困るぜ
      今日みたいな雨だって 一日とは限らねぇだろうしさ」

勇者С「……・…・・・・…・・・・…」

勇者A 「…?」

С   「…・…・・・…・・・・…・・・・…・・…・・・・…・・・・…・…・・・
      ・・…・・・……・・・…・・・…・…・・…・…・…・・・・…・…・
      …・…・・・…・・・・…・・・・…・・…・・・・…・・・・…・…・・・
      ・・…・・・……・・・…・・・…・…・・…・…・…・・・・…・…・」

勇者A 「なんだこいつ、どうした!?」

勇者B 「離れなさい!」

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:11:19.38 ID:5gFPSTsx0
勇者B 「ダメだ、やっぱり間に合わなかった」

勇者A 「まだ動いているじゃねぇか!」

勇者B 「生きながら瘴気に肉を犯されたんです、離れなさい!」

勇者A 「畜生!」

С   「勇者の子孫・…・…・・魔法…・…おに…・・……食べ物・・…
      瘴気の雨…・・…お…・お兄ちゃん…・…・おに・…・・…・…・」


勇者B 「まだ人としての記憶が残ってる…
      勇者の血統だから 簡単には魔物にならないみたいですね」

勇者A 「ちょっとかわいそうだけど
      中途半端なうちに 楽にしてやんなきゃな
      完全な魔物に成っちまうよりかはいいだろう
      せっかく勇者の子として生まれてきたのに… まったく!」


С   「…・…・・・…・・・・…・・・・…・・…・」

勇者A 「やる事が遅すぎた… まったく!」





64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:14:03.82 ID:5gFPSTsx0
大将A 「魔王の群集だ、見えるか! 接近と同時に 雷電の魔法を放て
      第三波の攻撃終了後は 白兵戦に持ち込む」

僧侶C 「魔力の乱れが大きく
      勇者達の魔力も 第二波の放射に耐えられるかどうか分かりません
      第一波の攻撃後は 白兵部隊で持たせましょう」

大将A 「一発目の雷電で足取りが重くなるはずだ
      二度目の攻撃が終わるまで 突撃を急がせる必要は無い」

僧侶C 「随分と、魔法に拘りますな
      頑固すぎる指揮官では 部隊はまとまりませんぞ」

大将A 「ここの最高責任者は私である
      如何なる命令にも従ってもらう」

僧侶C ( 人の死は この坊ちゃんには刺激が強すぎた…
      しかし そんな感情で 事を急ぎ過ぎるのは危険なのだ )

勇者K 「まぁ一発目がどの程度利くか
      見届けてから考えても遅くは無いんじゃない?
      俺の部隊が先行して第一波の観測を行う」

大将A 「任せた 白兵戦が必要なら閃光矢で知らせろ」

僧侶C 「雷電、秒読み開始! 六十 五十九 五十八……」


66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:16:35.80 ID:5gFPSTsx0
側近A 「護衛隊からの信号弾です」

国王  「意外と近いな 魔王を引き寄せ過ぎではないのか
      隊列も 神殿へ下がり過ぎているように見える」

側近A 「信号弾の色は 接近の警告を促しているようです
      どうやら 魔法か何かで前方の魔王軍を掃討する作戦のようです」

国王  「神殿が近いだけあって 魔法に頼る気も分かるが
      しかし 白兵部隊で軍勢を押さえんのは何故だ」

側近A 「数段に分けて 攻撃を繰り返すのであれば
      兵を後退させる意味も分かります」

賢者A 「魔法の流れが 神殿の方へ集まっています
      この良き胸騒ぎは 勇者の魔法を使うに違いありません」

側近A 「どうやら光の稲妻、雷電の魔法を使うようですな
      魔王様は馬車までお下がりください
      強い光が 目を焦がすやも知れません」

国王  「その必要は無い黒眼鏡を掛ける 我が国が二百年かけて作り上げた
      勇者達の良き魔法力を この目で確かめたい
      王である私が直々に戦場へ出向くのも
      戦後の生き証人となる為なのだからな」





67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:18:49.89 ID:5gFPSTsx0
       ……            ……
      …           ……       …

勇者B 「あれ、何の光でしょうね 雷電の光かな…
      太陽が昇るには まだ早すぎると言うのに
      神殿の方角で何か始っているんでしょうか?」

勇者A 「知った事か 早く前線基地まで戻るぞ
      こんな所に いつまでも居られるかよ 俺は国へ帰るって決めたんだ」

勇者B 「雨は上がりましたけど まだ地面は湿ってるんだから
      あまり焦らないほうがいいですよ
      それに もうすぐ結界の外に出るはずです
      ここまで来た時のように 盗賊の忍び足で進みましょう」

勇者A 「他人に教えてもらった技が 実戦で便利に使えるかよ」

勇者B 「来た時は 一度も魔物に見つからなかったじゃないですか
      僕達だって勇者なんだから プロ並みに技を会得出来ているはずです」

勇者A 「最初にこの道を通った時は後続部隊の兵力に 魔物が集中しただけだ
      俺達がいくら勇者でも そうそう便利になんでも習得できるわけが無い」


68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:21:07.66 ID:5gFPSTsx0
勇者B 「本当だ 魔物ですよ」

勇者A 「あの胸当ては 俺達が着ているものと同じやつだ
      まさか勇者の持ち物を魔物が奪った訳じゃないよな」

勇者B 「そうとも考えられますが
      魔物に殺された 仲間の勇者だと考えるのが自然です」

勇者A 「ゾンビになっても 誇りは捨てられないらしい
      見ろよ、あの斧の構え 俺達と戦うつもりだ こっちに気付いてやがる」

勇者B 「人としての知性がまだ残っていると思いたい…
      完全に魔物として闘うより 人として殺してあげたい」

勇者A 「行くぜ 俺が突っ込んで動きを乱す
      魔法でしとめるのを忘れんなよ」


勇者B 「何故、勇者の我々がこんな事を…」

勇者A 「同じ勇者だからだろ?
      仲間の後始末は せめて俺達でやってやろう」




72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:23:48.91 ID:5gFPSTsx0
勇者K 「うぅ…」

僧侶C 「ま、まだ煙が…!」

勇者K 「どうなった… 魔王は?」


大将A 「直撃か 勇者の魔法は 確かに直撃したのか?」

僧侶C 「か、確認はできていません しかし… たとえ外れていても この威力です
      粉々に吹き飛んだはずです 粉々に」

大将A 「前方の戦列は確認できているか」

勇者K 「ちょっと待ってくれ ま、まだ土煙が厚い」

大将A 「三百万の雷電でさえ これほどとは…
      護衛部隊の全ての雷電を集中させれば 国をひとつ滅ぼす事もできる」


僧侶C 「なんと!」

大将A 「どうした」

勇者K 「嘘だろう、まだ生きてんのか!
      大将、まだ魔王は終わっちゃ居ない ピンピンしてる!」

大将A 「冗談を言うな 直撃のはずだ」


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:25:41.79 ID:5gFPSTsx0
勇者N 「まだ終わっちゃ居ないんだ
      防衛準備急げ、 雷電隊の第二波どうした!」

勇者L. 「第一波の引き上げが遅くて…
      隊列がまとまりません!」

大将A 「うろたえるな 部隊を引き戻さずに
      第一波にはそのまま白兵戦をやらせろ
      その上で第二波の雷電は予定通り行う!」

僧侶C 「それでは 味方が巻き添えを食らいます!」

大将A 「二度目の雷電を食らわせる前に
      神殿に接近されれば 元も子もなかろう
      こうなった以上 犠牲は止むをえん」

大将A ( しかし、どういう力だ
      魔王は こんな雷電では倒せんと言うのか
      ヤツの魔力も 神殿よりの力で強化されているとは思いたくない… )


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:34:21.90 ID:raWryf6b0
魔物C 「魔王様!」

魔王  「全ての魔力が繋がらんとは…!」

魔物A 「魔王様 ご無事で!」

魔王  「一撃はどうにか耐えたが 二度目を耐える自信がない…
      これが勇者なのか これが これほどの雷電が!」

魔物A 「向こうとて同じように魔王様を恐れているはず
      魔力が使えぬ今こそ 神殿まで直進致しましょう」

魔王  「焦るな 数では奴らが上だ
      乱れの中でも あれだけ多くの兵が集まれば
      魔力を集中して 雷電を放つ事も出来よう
      無意味な突撃は 死期を早める」

魔物A 「ではどうやって…」

魔王  「貴様の命をもらう その純粋なる魔族の血を使えば
      もう一撃くらいは耐えられる
      己の身を犠牲に放つ 禁断の魔術で 魔王である我を守って見せい」

魔物A 「冗談を言う時ではありません」

魔王  「冗談ではない!」


75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:36:15.96 ID:raWryf6b0
魔物A 「魔王、なにを!」

魔王  「白々しいな貴様も 気付かんとでも思っていたか?
      私を出し抜いて魔王の地位を狙う貴様の血を 今すぐに差し出せ」

魔物A 「私が魔王様を出し抜きなどしません!」

魔王  「今まで貴様を生かしておいたのは
      我よりも 魔族としての才を持っていたからだ
      その狡猾さも 気に入っていたし なにより邪悪さがある
      だが、今は我が生き残る事の方が先だ 覚悟!」

魔物A 「誤解です 私は…」

魔王  「もう遅い!」

魔物A 「ええい!」

魔王  「抵抗したな やはりそうか!」

魔物A 「魔王の座など欲しくは無い!
      貴様に恨み晴らす為に 今日まで己を偽ってきた」

魔王  「偽りだと!」

魔物A 「愛した女性を殺した挙句 貴様は俺達を笑った
      人と魔族が結ばれてなにが悪い、何故放っては置けなかった!」

魔王  「貴様から感じた邪悪さは そのように愚かな恨みか… 下種がッ!」


76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:39:05.79 ID:raWryf6b0
魔物A 「三十年も前に貴様に殺された彼女の悲しみを
      俺は一夜も忘れた事はないぞ
      今日を良き日に変える為に 魔王、死んでもらう!」

魔物C 「正気か!」

魔物A 「邪魔立てするな、こいつを殺させろ!」

魔物C 「謀反の罪はその命で償ってもらう!」

魔物A 「!?」

魔物C 「魔王様は特別な方だ 魔族を支える盾
      人を制す偉大なる剣 魔物全ての希望なんだ」

魔物A 「お前、お前が…!」

魔物C 「魔王様に背く者には死を」

魔王  「こやつの血が使えなくなったか… まぁよい
      あの世とやらがあるのかは知らんが 愛した人間と仲良くやるんだな」


魔物A 「…」

魔物A ( もう一度娘に会いたかった… 俺にも愛を知ることが出来たのなら
      それは魔族が破壊を生むだけの存在ではない証だろう?
      だったら、もっと賢く生きていい 魔族も人もみんな全て… )




77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:41:28.49 ID:raWryf6b0
勇者A 「なんだ、今声が聞こえなかったか?」

勇者B 「知りませんよ 早くここを抜けましょう
      海岸線は目の前なんですから」

勇者A 「遠目から見ても 艦隊の舟は見えないな
      もう 港を出向した後だとすると
      本当に置いてけぼりを食らったな俺達」

勇者B 「小型船の一隻くらいは残っているハズです
      魔物になった屍人の群れが集まらない内に 急ぎますよ」

勇者A 「分かってる!」


Ι   「…・・弟・・…・・…せん…・・…・つたい・…・弟・…・・」

勇者A ( 後続部隊じゃないかこの馬車!
      兄貴も弟も 勇者のクセに 魔物にやられちまうなんて
      まったく… まったくさ )

勇者A 「まったくッ!」


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:43:37.00 ID:raWryf6b0
勇者A 「この野郎ッ!」

Η   「ギャースッ!」

勇者A 「何やってる急げ!」

勇者B 「やってるでしょう!」

勇者A 「畜生、魔力が乱れてるせいで
      魔法水車がうごかねぇよ、他の船もダメなのか」

勇者B 「器用なんでしょう? なんとかうまくやりなさいよ!」

勇者A 「ええい、動きやがれ!!」

     ガッ!!


勇者A 「おぉ回った、行けるぞ!」

勇者B 「早く出して!屍人が来ます!」


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:45:30.64 ID:raWryf6b0
勇者A 「ハァ… 間一髪でも 助かってよかった
      海に出ちまえば 流石に追っては来ないだろう」

勇者B 「どうして 艦隊は消えちゃったんでしょうね
      我々を置き去りにして…」

勇者A 「よっぽどの事情が無けりゃ
      作戦を放棄なんてしないよな」

勇者B 「のっぴきならない事情ができたのかな
      もしかして みんな魔王にやられて…」


勇者A 「知るもんか そうと決まった訳じゃない 変な顔するな
      魔王がどっか逃げて 追いかけてんじゃないのか?
      それよりその傷の手当をしないとマズい」

勇者B 「大丈夫です 自分でやります」

勇者A 「強がるんじゃないよ 脱がなきゃ治せねぇだろう
      早く胸当てを外さねぇと 俺が引っ剥がすぞ」

勇者B 「本当、大丈夫ですから!」

勇者A 「馬鹿野郎!変な意地張って、傷の手当もしないで
      魔物になっちまったら 困るのは俺なんだぞ」


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:47:32.34 ID:raWryf6b0
勇者A 「この体… お前、女なのか!」

勇者B 「女で 何が悪いんです 返してください!」

勇者A 「何でそんな、ずっと一緒に…」

勇者B 「腕先は器用なくせに 本当に今まで気付かなかったんですか?」

勇者A 「そう言や何処となく色気がある いい匂いもする」

勇者B 「怒りますよ」

勇者A 「でも勇者は男しか なっちゃいけないはずだ
      女勇者はご法度なんだ なんで勇者の格好を?」

勇者B 「勇者の子供を育てた親には
      土地やお金が貰えるのは知ってるでしょう
      女だって その血筋が勇者なら 立派に戦えます
      親に楽をさせてあげたかっただけです」

勇者A 「呆れたぜ もっと器用に生きてれば
      こんな戦いに巻き込まれずに済んだのに」

勇者B 「親のために戦っちゃいけないんですか!」

勇者A 「戦わずに済むんならそれが一番だろうが!
      俺が女なら 母さんの故郷で平和に暮らしたかった」

勇者B 「娼婦の家系は お金が無いと平和には暮らせないんです」





84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:50:31.98 ID:raWryf6b0
大将A 「白兵部隊にはもっと効率よく戦うよう命じろ
      第二波の準備はまだ終わらんのか」

僧侶C 「第一波の五割ほどの魔力しか集まりません!」

大将A 「魔法力が乱れすぎたな…
      構わん そのまま放射させろ 以降は全軍を突撃させる」

勇者K 「賢者達が 神殿の力が持たんと言っているぞ
      魔力が安定するまで待たせたほうが…」

大将A 「それがどうした」

僧侶C 「そりゃまずい!神殿は御神木を守る盾だ
      それが無くなれば 魔力を維持する勤めが難しくなる!」

勇者K 「そうなれば戦後政治どころじゃないぞ
      木が枯れたら 魔法が全部なくなっちまう」

大将A 「構うな! 神殿など魔王を倒した後でいくらでも建造すればよい
      国民の為 死んだ兵達の為 全ての勇者達の為
      私のメンツにかけて 引く訳にはいかんのだ」

僧侶C 「どうなっても知りませんよ 秒読み開始、六十!」

大将A 「三から始めろ、撃てるはずだ!」


85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:52:51.14 ID:raWryf6b0
勇者O 「させるかッ!」

魔王  「邪魔だてをするな!」

魔物C 「魔王様、また雷電が来ます」

魔王  「この者たちの中で最も強い血を探さねば 次の直撃には耐えられん
      勇者でも代用は利くが 数が多いだけでどいつもこいつも…」

勇者O 「やめろ 俺を殺すな…!」

魔王  「魔族を一度は闇へ追いやった勇者の末裔ともあろう者が…
      命乞いとは見苦しいぞ 恥を知れ!」


魔物C 「魔王様、このアタシの血をお使いください」

魔王  「ならん、貴様まで失うわけにはいかん 魔王には 魔王の意地がある!」

魔物C 「私の血で魔族が生き永らえるのなら
      魔王様 永遠の力が続くのであれば…」

魔王  「そう言ってくれるか… そう言ってくれるのなら 使わねばならん
      使わねばお前の心意気、傷つける事になる 失うには惜しい部下を持った」

魔物C 「こんな栄誉な死は他にありません」

魔王  「ええい、愚かなる勇者共!
      この者の血杯が我ら魔族の力の証だ その眼に焼き付けるがいい」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:55:30.66 ID:raWryf6b0
側近A 「国王様、お下がりください第二波が… 雷電が来ます!」

国王  「なんだ、何が来る 魔王はまだ倒せんのか
      一千万人勇者はどうした」

側近A 「どうなさいました、王様!」

国王  「私の妻も娘も 魔王なんぞにはやらせはせんぞ
      全ての兵が焼き崩れようと 私が直接審判を下してくれる!」

側近A 「あの雷電の光で 心を焦がされてしまったのか…!
      しかし 王にはまだ役目がございます
      お下がりなさい、お下がりなさい!」

国王  「死にはせん 死にはせん! いずれ混沌の世界を統治し
      良き力へ導くこの私は 決して死にはせん!」

僧侶A 「うまく飛べぬかも知れませんが
      早く王を魔法馬車へ!」

側近A 「すぐにこの場を離れよ!」

僧侶A 「言われなくとも…」

国王  「魔族の血は 根絶やしにしてくれる!」





88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 12:59:01.82 ID:AwfUWYgM0
勇者A 「また雷光だ やっぱり神殿のほうで
      魔王と軍隊がドンパチやってんだな」

勇者B 「我々はどうするんです?」

勇者A 「今更加勢しても遅すぎるし
      置いてけぼりを食らった恨みもあるしな
      合流なんかしてやるもんか」

勇者B 「それもそうですよね
      なんだか 味方が魔物になった姿を見て
      全部馬鹿らしくなってきました」

勇者A 「所詮は ただの戦争だもんな
      違う種類の生き物同士の…
      こうなったらさ、お前も俺の故郷に帰って 一緒に…」

   ……         …
        ……            ……
      …           ……       …


勇者A 「…!」

勇者B 「これ… まさか!」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 13:01:04.51 ID:AwfUWYgM0
勇者A 「雨だ!まずいぞ ここは遮蔽物がない 雨具だって…」

勇者B 「船を雨のない場所まで 早く!」

勇者A 「そんな便利に動けるかよ!
      畜生、何だってこんな時に降りやがるんだ
      さっきまでは晴れてたじゃねぇか!」

勇者B 「神殿の魔力が乱れて
      地上全体の魔法の流れがおかしくなってるんです
      この瘴気の雨も もともとこんな所にまで降るものじゃないのに…」

勇者A 「冷静に考えてる場合か!
      対策を考えなきゃ 船の上で魔物になっちまうぞ!
      海の中なら ちょっとは染み込みが弱まるかもしれない」

勇者B 「もうダメですよ… どう考えたって助かりっこない
      山道でも 沢山雨を浴びたし 防ぐ手立てなんて 無いんです
      海水もじきに 瘴気に犯され始めるでしょう」

勇者A 「お前だって こんな無様な死に方は嫌だろう
      だったら最後まで抗ってやるんだ…
      そうしなきゃ今までの事全部無意味になっちまう!」

勇者Β「ほら、もう手が震えてきてる… 限界なんです
      だから殺してください 人である内に死にたい」


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 13:04:00.08 ID:AwfUWYgM0
勇者A 「悲しすぎる事を言うな 必ずつれて帰ってやる」

勇者Β「こういう風に優しい人に逢えて良かった
      だから後悔なんてしません早く殺して お願いです
      娼婦として生きるより こうやって死んだほうが良かったんです」

勇者A 「馬鹿野郎!死んでいい事なんてあるもんかッ!」

勇者B 「楽しかったんですよ… こうやって旅ができたの 短かかったけど」

勇者A 「まだ終わっちゃ…」

Β   「殺して もう、ダメ」


勇者A 「く、もう手遅れか 流石に俺も疲れてきちまったな
      だけど、コイツを殺すことだけは 人である内に…」

Β   「殺し 殺し」

勇者A 「死んだら いい女になれよ」

     スパ――ンッ!


勇者A ( とうとう俺一人になっちまった 神がいるなら教えろ…!
      何が勇者だ 何が英雄だ 何が血筋だ!誰一人救えないじゃないか
      何が知恵だ 何が怪力だ 何が勇気だ!俺は何故生まれた来た! )





94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 13:07:14.25 ID:AwfUWYgM0
大将A 「一度目より衝撃は小さいな… どうだ!」

僧侶C 「依然、健在であります! しかし 効果はあったようだ
      魔王以外の全ての魔物を仕留めた模様です」

大将A 「これからは総力戦だ
      兵を誰一人無駄にせず 効率よく戦え
      格の差は気にするな 死んで後悔しろ!」

勇者K 「大将… 大将!神殿が、神殿が崩れています!」

大将A 「富と恵 平和と繁栄の象徴である神殿が崩れた…
      しかし 魔王を倒した後でより良い神殿を築き
      そこにここで戦う全ての勇者の名を刻まなければならない
      その為の聖戦を やめるわけにはいかん!」

僧侶C 「魔王、進行中! 後方の部隊も間に合いません!」

大将A 「こちらの数は?」

勇者K 「目測で見るに全軍を合わせても 二百万しか残ってないな
      第二波で 味方を巻き込みすぎた」

大将A 「それで十分
      この第一防衛網を拠点に 袋叩きを仕掛ける」


95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 13:09:26.78 ID:AwfUWYgM0
魔王  「ええい! あと半里も満たん距離だ
      神殿の御神木に触れさえすれば…」

勇者P 「神殿は崩れた もう御しまいだ」

勇者Q 「ここで俺達と共に死ね!」

勇者R 「勇者の末裔なんだ 俺達ならできるはずだ」

魔王  「たかがこれしきの事 乗り越えてみせる
      神殿が崩れたとは言え 御神木の清き魔力を借りれば
      貴様ら如きの血筋など…!」

勇者K 「足だけを狙え! 足だけを切り落とせばいい!」

魔王  「小ざかしいッ!」

                 勇者P 「うああッ!」
    勇者「なんて力!」              勇者R「そんな、マ…!」


魔王  「力を取り戻せば済む事よッ!」


大将A 「これでは消耗するだけだ 数を利用して進路を塞ぎこめ!」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 13:11:42.53 ID:AwfUWYgM0
側近A 「つ… 墜落とは不運な…」

僧侶A 「しっかり、お怪我はありませんか」

側近A 「私の事はいい 国王の身はどうした?」


国王  「隊列は、勇者の部隊は圧倒的であろう!
      負けるわけがないのだ わが国が滅ぶワケがないのだ」

僧侶A 「は、はい国王様… 勇者の隊が圧倒しております」

国王  「そうであろう!そうであろう!」


側近A 「王… こんな病んだお心でも 国の誇りを失わんとは」

僧侶  「…」

側近A 「勇者は?」

僧侶A 「詳しく確認はできませんが 激戦が続いているようです
      徐々に数を減らされ一時も経てば 残り二十万しか残らぬのではないかと」

側近A 「そうか、減っているか
      しかし 魔王にも希望はないはず
      この聖戦が 相打ちで終わると思いたい」


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 13:13:55.83 ID:AwfUWYgM0
大将A 「残った兵全てを集結させろ
      神殿の瓦礫をうまく利用して挟み込め!」

魔王  「御神木は何処だ 賢者共が守っているはずだ
      瓦礫には埋もれているわけがない」

勇者S 「魔王覚悟!」

勇者T. 「今日ほど貴様を憎いと思った事はない!」

大将A 「迂闊だ、突っ込みすぎるな!」

魔王  「ええい、木偶の勇者共め!」


勇者K 「やられる一方だぜ 大将!」

大将A 「御神木を利用して雷電を使う
      二千の兵は神殿の奥へ移動させろ!」

僧侶C 「正気ですか!?魔力を出し切れば御神木は朽ちます
      それこそ 神殿は再建できなくなる 魔法力もみな全て
      消えてしまうのですよ!」

大将A 「生きていれば何とかなる
      死ぬよりかマシだ あと少しなのだ!」


100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2009/11/07(土) 13:16:04.44 ID:AwfUWYgM0
賢者A 「争いの悪しき力で御神木を傷つけるようなマネは
      今すぐにお止めください!」

賢者B 「魔王もこの木を今まで狙わなかったのは
      この地上全てを保つ力だと知っていたからなのです
      それなのにあなた方勇者が 御神木を汚してなんになりましょう!」

勇者U 「こっちだって必死だ! 外にいる八千の味方ももうじき全滅する
      これが最後の切り札なんだ!」

勇者V 「死にたくなかったらどけよ!」

大将A 「十分に引き付けて 一撃で仕留めろ!
      我々にも被害が及ぶかもしれんが 死なば諸共だ」

勇者K 「魔王が 深部まで来るぞ!」

魔王  「はぁ… 我の息も持たんか
      魔族の血の魔法力にも限りがある
      しかし あと少しで、全てが終わる!」

大将A 「来たぞ! 全員衝撃に備えよ」

魔王  「まさか、御神木の力で雷電を使う気か!?
      冗談ではない、その木が枯れても良いのか!」

大将A 「貴様を殺してから後悔させてもらう!」

【続き】魔王「一千万人勇者だと 馬鹿を言うな!」 【その2】
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あまりに怖すぎる都市伝説

神様「お前は生きてる価値が無さ過ぎる」

泉の女神様「貴方が落としたのは…」男「好きです」

市橋「俺が殺人犯……?」

タラヲ「今日もまたリア充が死んだですよ。ざまあないです」

オタク臭い喋り方ってあるよね

警部補「山本さんを殺したのは貴方達めちゃイケメンバーなんですね」

カツオ「そんなの……間違ってるよ」

澪「紹介する。私の彼氏の押尾学さんだ」

月「なんだこいつ……L?」